

1989年、パリでテーブルコーディネートを学ぶため渡仏。帰国後の1992年に原宿で、新しい食空間の演出を提案する、彩食絢美を設立。プロの養成スクールを主宰しながら、食と女性マーケティングの分野において、大手企業の商品開発におけるコンセプターとしても活躍。また、ヨーロッパと日本の食文化交流を通じ、2000年にはスローフード発祥の地、北イタリアのブラで開催されたチーズフェスティバルに日本から初の公式参加。
日本酒と日本の食卓文化を紹介し、イタリア全土に日本酒旋風を巻き起こす。
著書に、「12のパリの物語」(立風書房)など。
|



|
 |

各地の郷土の味として楽しめる日本酒は、その多様性が何よりもの魅力です。
各地域それぞれの風土に根ざした味わいは、私たち日本人が本来持っている、それぞれの心象風景と重なる気がします。初めて飲んだお酒に懐かしさを感じたり、飲み慣れたはずのお酒の味が今年は違って感じられたり、日本酒はいつも“生きて”います。旅にでて出会い、出会うために旅に出る、そんな楽しみ方ができる日本の食文化を代表する一つだと思います。

学生時代、冬の能登半島を旅行した時のことです。あまりの寒さに耐えられず、たまたま入った食堂で、ストーブの上に乗ったやかんで“燗をした日本酒”というものをはじめて飲みました。ひとくち飲んだ時の、凍えた体にしみわたるような熱さが、次第に体全体にひろがる暖かさに変わっていく、何とも言えない幸福感を味わったことが、私にとって日本酒との本当の意味での出会いでした。

家族の食卓から恋人の食卓まで、数えきれないほどたくさんある日々の食卓シーンのなかで、それぞれのシーンに似合うように、「日本酒のある食卓」を、オシャレにスタイリングしていきたいと思っています。と同時に、若い女性たちが「日本酒をのんでみたくなるテーブルコーディネイト」を、積極的に発信していきたいです。
さらに、日本を代表するスローフードとして日本酒の魅力を、その背景にある食文化とともに新しいかたちで海外
にPRしていくことができたらと思っています。
|